ひよっこPTの文献ブログ~

現役PTの知識、経験箱です!文献を元にした知識や、勉強会や臨床での技術をどんどんのっけていきます(^O^)

Stiff Knee Gait

○定義

    膝関節の運動が乏しい歩行

 

 

○原因

    大腿直筋の過緊張

    立脚期での大腿直筋の活動が継続する

 

 

理学療法

    筋の協調性トレーニン

        ex.サイドアップ   DYJOCボード

 

    CKCでの股関節・膝関節同時伸展運動

         *CKCでは大腿四頭筋の内、広筋群の活動が主となり、大腿直筋の活動は著明に抑制される

 

    相反抑制を利用した大腿直筋の弛緩

        ex.端座位や立位(TSt)でボール転がし 

             跨ぎ動作

             後ろ歩き

 



 

 

 

人工関節のリハビリテーション 術前・周術期・術後のガイドブック

人工関節のリハビリテーション 術前・周術期・術後のガイドブック

 

 

 

膝関節理学療法マネジメント−機能障害の原因を探るための臨床思考を紐解く
 

 





関節リウマチ

関節リウマチの概要

多発性の関節炎を主症状とする原因不明の炎症性疾患。

病変は手足や膝関節の疼痛や腫脹から始まり、次第に全身の関節が侵され、関節の変形、疼痛、動揺性が生じ、機能障害をきたす。

関節外の症状:リウマトイド結節、肺線維症、アミロイドーシス、多発性単神経炎等

 

関節リウマチの頻度

有病率:0.5%

好発年齢:20〜50歳

性差:男:女=1:5

 

病因

遺伝的因子や環境因子(細菌感染やウイルス感染)

 

病理・病態

滑膜の異常増殖とそれに伴う骨・軟骨の破壊。

正常の滑膜は、滑膜表細胞と血管を含む結合組織から構成される。

滑膜表層細胞は、A細胞とB細胞にわけられ、A細胞はマクロファージのような破壊、B細胞は線維芽細胞のような再生の役割がある。

関節リウマチでは、滑膜が重層化し、絨毛のようになる。

表層下の間質では小血管の増生を認め、炎症細胞である好中球や形質細胞、マクロファージの浸潤を認める。

これによってA・B細胞ともに活性化され、相互作用により炎症が慢性化すると考えられている。

また、炎症生サイトカインは、滑膜細胞や炎症細胞のアポトーシス(自然的細胞死

)を抑制するため、アポトーシス機構の破綻も滑膜組織の異常増殖の一因である。

 

パンヌスは、炎症細胞や新生血管を含む滑膜であり、軟骨辺縁から骨組織を破壊する。

 

関節リウマチの関節外症候

・全身症状

   微熱は稀ではない。しかし、38℃以上の熱は感染やStil病を疑う。

・眼症状

    上強膜炎:急性に発症し数日〜10日で治癒する。

    強膜炎:予後不良

    シェーグレン症候群:目の乾き

    角膜穿孔:患者が「熱い涙が出た」などの訴えをするため、すぐに眼科を受診させる

・血液障害

    貧血:活動生の高い関節リウマチ患者に多い。鉄結合能は低値〜正常。

               経過中に急速な貧血の進行を認めた場合は消化管出血を疑う。

アミロイドーシス

・腎障害

    糸球体病変は稀。

    蛋白尿の出現は、続発生アミロイドーシス又は薬剤生腎障害を疑う。

・呼吸障害

    間質性肺炎が併発しやすく、下肺野に後発し、通常無症候性である。

    メトトレキサートの服薬中は薬剤性の急性間質性肺炎を生じる場合があり、休薬とステロイド療法が必要となる。

・心•血管ーリンパ浮腫

    関節リウマチに伴うリンパ管炎により、難治性の浮腫を生じる

神経症

    環軸関節亜脱臼を生じると、しばしば項部痛や脊髄症状が出現。

    屈筋腱周囲の滑膜の炎症と肥厚により正中神経が圧迫される手根管症候群を生じる

骨粗鬆症

    加齢、閉経、活動性低下、副腎皮質ステロイド等で骨粗鬆症が進行すると、脆弱性骨折の危険性が生じる

 

関節リウマチの検査・分類

X線画像・CT・MRI

Larsen分類:関節破壊

Modified Sharpスコア:関節裂隙狭小化と骨びらん

関節リウマチの分類基準(米国リウマチ協会;ACR)

新RA分類基準

関節リウマチのstage分類

Lansbury 関節点数

HAQ

 

関節リウマチの治療

・患者指導

    経過と治療を十分に説明し、不安を軽減させることが治療の第1歩である。

   疼痛緩和のためには十分な睡眠、適度な運動、カルシウムや鉄分が豊富でバランスのとれた食事が大切である。腫脹や疼痛の強い時には局所の安静と保温が重要である。

・薬物治療

・手術治療

リハビリテーション

    関節可動域運動、筋力増強運動、歩行練習など。

    特に、ホットパックや渦流浴、超短波などの温熱療法によって疼痛や筋の痙性緩和を図る

 

 

標準整形外科学 第13版 (STANDARD TEXTBOOK)

標準整形外科学 第13版 (STANDARD TEXTBOOK)

 

 

急性炎症

炎症(Inflammation)とは

 

組織損傷に対する生体の1つの防御反応・自然免疫応答である。

 

炎症症状と評価

 発赤(視診)

 腫脹(周径)

 熱感(触診)

 疼痛(問診・Visual Analog Scale等)

 機能障害

 

炎症の指標

 C反応性蛋白(CRP)     基準値<0.2mg/dl

 赤沈(赤血球沈降速度;ESR) 基準値1~7mm/時

 

炎症の病態生理

 

炎症を引き起こす原因

 

急性炎症では、生体外からの有害な刺激による外因が原因となる。

例:熱、機械的刺激、紫外線などの物理的因子⇒火傷、打撲、靭帯損傷

  強酸、強アルカリなどの科学的因子⇒湿疹、火傷

  最近、ウイルス、寄生虫などの生物的因子⇒感染性関節炎、外傷後の化膿

 

損傷直後

 ①止血

 破損した周囲の血管が一過性に収縮し、血小板が凝集して止血する。

②血管拡張

 数分後、血管は収縮に続いて拡張する。

 カリクレインがキニ―ノゲンを分解し、ブラジキニンを生じ、

 そのブラジキニンが肥満細胞を刺激することでヒスタミンが生じる。

 ブラジキニンヒスタミンによって、血流量が増加することで発赤や熱感などの症状  

 が起こる。

③血管透過性亢進

 ブラジキニンヒスタミン、マクロファージや線維芽細胞から分泌される炎症性サイトカインによって血管内皮細胞が収縮する。細胞間接合部が開くことで蛋白質等の分子量の大きい物質も血管外へと通過するため、浸透圧で血管外へと水分が漏れ出してしまい腫脹となる。